2019年4月4日木曜日

【2019年掲載】新たな風邪の予防策が確立 ~研究重ね実用化へ推し進める~

 先月、本学大学院医学系研究科の研究グループが風邪の予防方法を確立したことを発表した。グループ代表の加勢治(かぜ・なおる)教授に話を伺った。風邪とは鼻腔や咽頭、喉頭で起こる感染症で、その原因はウイルスによるものとされている。そこで今回、そのようなウイルスを体外へ追い出し、予防するガス(カゼナオールガス:KNG)を開発したことが発表された。長期間利用することで最終的に、鼻や口からの感染をガスに頼らずに予防できることが期待される。



 くしゃみや咳は体内へ侵入したウイルスや細菌を追い出す効果を持つが、それまでの間にウイルスが粘膜で炎症を生じさせると、のどの痛みなどの症状を引き起こしてしまう。そこで、KNGを鼻と口から吸引すると、粘膜の表面でゲル状に変化して粘膜と密着する。ゲル状になったKNGは特定のウイルスのみを付着させるので、その付着したゲルごと、くしゃみや咳によって体外へウイルスを追い出す。さらに、ゲル状のKNGはウイルスによる粘膜への影響を防ぐ壁にもなるので、そのまま継続的に症状を予防できる。

 KNGはゲル状では乾燥や水に強く、粘膜からはがれにくい性質を持っている。したがってガスの一人あたりの使用量は比較的少なく、さらにガスは簡単に生産できるので、コストは安く抑えられ、全国の医療機関で普及しやすいとされている。加勢教授は「現段階では付着できるウイルスの種類や数が少なく、誤嚥性肺炎などの副作用を引き起こす可能性が高い。したがって他の予防策や治療方法の方が費用対効果に優れていると我々は考えている。しかし今後、対処できるウイルスを増やし、さらにはより多くの人が安く手に入れられ、安全に使える治療薬を研究し、結果を示したい」と語った。

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